Social Security Agreement

uodated : 7 Feb. 2022

今まで諦めていた海外年金は、社会保障協定により受給できるようになりました。


社会保障協定とは、2000年より日本と他国間で社会保障について取り決めたものです。内容としては、柱が二つ、「年金保険料の二重払い防止」「掛け捨て保険料問題の解消」です。

海外駐在員のように、日本企業から他国への現地法人など転勤になった場合、日本での社員、赴任国での社員という2つの顔を持たなければならず、それぞの国で公的年金に加入しなければなりませんでした。つまり、日本と赴任国において、二重に公的年金に加入し、保険料も二重でした。また赴任国では数年の短期滞在のため、年金受給するには要件を満たさないことから、保険料のほとんどが掛け捨て状態。とても残念な状況でありました。これを回避するために締結されたのが、社会保障協定です。

年金保険料の二重払い防止

社会保障協定1つ目の柱

社会保障締結国へ赴任する場合は、相手国の公的年金の加入が免除(派遣期間が5年を超えない場合)となりました。

<BEFORE>  社会保障協定 発効前

日本 厚生年金加入(保険料の支払)
赴任国 年金制度の加入(保険料の支払)
<AFTER> 社会保障協定 発効後

日本 厚生年金の加入(保険料の支払)
赴任国 年金制度の加入免除(5年を超えない派遣の場合)

保険料掛け捨て問題の解消、保険機関の通算が可能に!

社会保障協定の二つ目の柱

また今までかけていた保険料も将来年金として取り戻せるよう、赴任国の年金加入期間に日本の年金加入期間を通算できるようになりました。

例えば。。 オランダから日本へ赴任し、4年間働いたAlbertさん。 オランダでは40年年金に加入していたとします。。

日本の年金は10年以上の加入期間がないと年金の受給資格がありませんが、オランダとは社会保障協定がありますので、日本での4年と自国のオランダでの年金加入期間(40年)を通算することができるので、10年以上となります。

<BEFORE>  社会保障協定 発効前

日本の年金 4年 →  × (10年に満たない為、掛け捨て)
オランダ 40年 →   ○
<AFTER> 社会保障協定 発効後

日本4年 + オランダ40年 → (日本から4年相当分の年金が支給されます)
オランダ 40年 → ○ (オランダからは40年相当分の年金が支給されます)

Albertさん、社会保障協定の発効により、無事日本での受給要件を満たし、オランダに居ながらにして、日本の年金を受給できる(海外送金)、ということになります。

つまり、同様に、日本から海外へ赴任・就労した経験のある日本人にも、海外年金を受給できるのです。(*)

(*)年金額は保険料を支払った分に相当する金額です。

 海外年金の受給は、二つ目の柱である「年金期間の通算」を利用したものになります。



社会保障協定の締結国の年金制度について見ていきましょう。